地中海式食事で脳を健康にする

地中海式食事で認知症を予防する

 

 

【食事と認知症の密接な関係について】

 

研究が進み、運動や食事、ストレスといった生活習慣と生活のしかたが認知症と密接な関係があることがわかってきました。

 

とくに食生活の影響は大きく、脳血管性だけでなくアルツハイマー病も食生活を改善することで予防できるという説が有力になっています。

 

ここでは認知症に効果があると考えられている地中海式食事についてお教えします。

 

 

 

【食事で脳を健康にする】

 

 

肥満やメタボ、そして高血圧、糖尿病が認知症の原因のひとつと考えられています。そこで、脳を健康にする食事を意識しましょう。

 

よくかんで食べる、バランスのよい食事をする、ゆっくり時間をかけて食べる、腹八分目にすることは、認知症を予防する食事の基本です。

 

 

 

【スナック菓子を食べるならチーズやナッツを食べよう】

 

 

つい、お腹がすくとスナック菓子を食べてしまう。スナック菓子は、高脂肪、高カロリー。肥満や糖尿病の原因です。

 

そこで、良質なたんぱく質、資質を含むチーズやアーモンドまたはナッツ、イワシなどの乾燥させた小魚を食べましょう。

 

 

 

【サプリメントだけに頼らない】

 

 

認知症に有効なサプリメントはイチョウ、葉酸などがあります。いずれも抗酸化物質です。

 

ただしサプリメントも食品です。薬ではありません。効率よく栄養成分を摂取することはできますが、単一栄養素だけに偏ったサプリメントの飲み方は有害かもしれません。

 

じっさいビタミンEの実験では、ビタミンEをサプリメントで摂取した人たちの死亡率が高いこともわかっています。

 

栄養は食品からバランスよく。これが基本です。

 

 

 

【赤ワインに含まれるリスベラトロール】

 

リスベラトロール

 

赤ワインに含まれるポリフェノールの「リスベラトロール(レスベラトロール)」は果皮に含まれています。

 

このリスベラトロールには、脳の機能を円滑にし、記憶力の回復やアルツハイマー病を予防する効果があるといいます。

 

ボルドー大学中央病院が3年間にわたって飲酒量と死亡率、認知症、アルツハイマー症のリスクを調査しました。ワインを毎日3〜4杯(約400〜500ml)飲んでいるグループとまったく飲まないグループでの発症リスクを比較したところ、認知症は1/5、アルツハイマー症は1/4、死亡率は約30%低下しました。
(Rev.Neurol.(Paris)153(3),185-192(0997))

 

2006年にはリスベラトロールによってマウスの寿命が延びる論文も発表されています。
(J.A. Baur,D.A,Sinclair et al(2006)Nature 444.337-342)

 

ほかにも赤ワインにはピロリ菌の殺菌作用があります。血液の柔軟性が増し、毛細血管の血流が促進されることもわかっています。

 

 

 

【カレーで認知症を予防する】

 

 

カレーをよく食べるインドのアルツハイマー型認知症の発症率は、アメリカの約1/4とする学術論文が発表されました。

 

研究の結果、カラーに使われるウコンが関係していることが判明しています。

 

ウコンには、ポリフェノールの「クルクミン」と呼ばれるファイトケミカルが豊富に含まれており、すぐれた抗酸化作用があります。また、脳にアルツハイマー病の原因であるアミロイドβ(ベータ)がたまるのを防ぎ、できてしまった老人班の分解を促します。

 

なおインド人の寿命は日本人ほど長寿ではありません。そのあたりを加味して考えなければなりません。

 

ウコンはサプリメントでも摂取できますが、肝臓の病気の人が摂りすぎると肝臓に負担をかけるので注意が必要です。できるだけ食事から摂りましょう。

 

>>ウコン(クルクミン)を上手にとるコツ

 

レシチン(脂質)と摂ると吸収率が上がるため、レシチンの豊富な大豆や卵と食べるとよい。春と秋のウコンがあり、クルクミンを豊富に含んでいるのは秋ウコン。

 

 

 

【地中海式食事を意識する】

 

 

認知症の予防を食事でしたい。何も特別なことは必要ありません。

 

まず偏った食事をしない。1日3食、栄養バランスのとれた食事をする。食べ過ぎないよう、量は腹八分目を心がける。よく咀嚼する、ゆっくり食べるを心がけます。

 

認知症への予防効果が高いことが実証されている食事として、地中海式食事(地中海式ダイエット)があります。

 

ようは、健康を目的とした栄養バランスのよい食習慣のこと。1960年代のイタリア南部、ギリシア、クレタ島など地中海海域の食習慣です。

 

認知症の予防だけでなく、心筋梗塞などの心臓病、がんの発症率も低く、長寿につながる食習慣として世界的に知られています。

 

地中海式食事の特徴は

 

・野菜、果物、穀物、豆類を毎日食べる
・オリーブオイルなど植物性の油を摂取する
・低脂肪の乳製品(牛乳やヨーグルト)も毎日食べる
・動物性脂肪は肉でなく、魚からとる

 

となります。

 

ニューヨークの高齢者が地中海式食事を実践したところ、忠実に食事をしているひとほど、アルツハイマー型認知症になる危険が低くなることがわかっています。

 

>>地中海食事のバランスピラミッド

 

三角形のピラミッドとして、頂点にいけばいくほど食べる量と頻度は少なくなります。

 

・牛や豚の肉類 月に数回
・ケーキなどのデザート、甘いもの、卵、鶏肉、魚 週に数回
・チーズ、牛乳、ヨーグルト 毎日
・オリーブオイル 毎日
・果物、野菜、豆 毎日
・パン、ご飯、パスタ、全粒粉、ジャガイモ 毎日
・赤ワイン グラス1〜2杯

 

ご飯については糖質が多く含まれているため、玄米にしてもいいでしょう。

 

>>地中海式食事に似ているのは和食

 

日本人はもともと乳製品や肉の摂取量は少なく、野菜、果物、魚介類、豆類はたっぷりと摂っていました。地中海式食事と和食には共通点が多いのです。

 

玄米、野菜、海藻、きのこ、魚介類、豆類、ごま、果物を中心にした伝統的な和食がおすすめです。

 

 

 

【脳も食べ物からできている】

 

 

脳の構成成分は、脂質が約60%、たんぱく質が約40%で、脳も食べ物の成分でできています。

 

ゆえにDHAやオリーブオイルのような質のよい油脂は、脳にとっては必要不可欠。DHAは、脳細胞に直接運ばれる性質もあります。

 

>>良質なたんぱく質をとる

 

脳の約40%は、たんぱく質でできています。たんぱく質を組成しているのはアミノ酸。アミノ酸の20種類のうち9種類は、体内で作ることができません。食事で良質なたんぱく質をとる必要があります。

 

必須アミノ酸を含むたんぱく質は

 

・牛乳
・卵
・大豆
・肉
・魚

 

などがあります。

 

 

 

【血糖値の上がり方をゆるやかにして、脳を守る食べ方のコツ】

 

 

血糖値が急激にあがると、脳の血管を傷つけます。そこで、血糖値を急上昇させない食べ方をしましょう。

 

まず野菜を食べます。つぎに魚や肉を食べ、さいごに米を食べれば血糖値の上がり方がゆるやかになります。

 

 

 

【地中海式和食で腸から健康になる】

 

地中海式和食

 

4万件以上の大腸内視鏡検査を行ってきた消化器内科医はいいます。腸がきれいな人、若々しく健康的な人は、野菜や果物、発酵食品を多くとるなど、食事に気をつけていると実感している・・と。健康と食事は切っても切り離せません。

 

そこで地中海式和食が注目されています。地中海式和食とは、和食と地中海食を組み合わせた食事法です。

 

地中海式和食の基本は、以下の3つ。

 

・魚と野菜を中心にする
・オリーブ油と発酵食品をとる
・砂糖のかわりにオリゴ糖を使う

 

牛肉や豚肉は極力ひかえて、タンパク質は鶏肉や魚介類、大豆製品からとります。食物繊維の多い野菜や果物をとることで、腸が元気になるうえ肥満防止にもつながります。

 

オリーブ油にはオレイン酸やリノール酸が豊富。1日に大さじ1杯を目安に料理に使いましょう。発酵食品は、しょうゆ、みそ、麹、納豆、漬物など。腸内環境をよくします。

 

砂糖のかわりにオリゴ糖を使うのもポイントです。オリゴ糖なら血糖値への影響が少なく、ビフィズス菌のエサになって大腸の善玉菌を増やします。

 

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>>>認知症患者の食事のしかた