嫉妬深くなる、妻の浮気を疑う

嫉妬深くなった、配偶者の浮気を疑う(嫉妬妄想)

 

【嫉妬深くなった、配偶者の浮気を疑う】

 

夫婦のどちらか。とくに夫が認知症になり、妻がつきっきりで介護をする場合、妻への依存度が高くなるあまり、「浮気をしているのではないか・・・」といった嫉妬妄想(しっともうそう)が現れることがあります。

 

妻が浮気をしていると騒ぐ嫉妬妄想は、男性に多くみられます。「妻を盗られるのではないか」「妻を盗られた」と思い込むのです。

 

もともとワンマン、亭主関白だった男性が、自分より弱いはずだった妻の介護を受ける状態になったことを受け入れることができず、妻を攻撃する理由を探し、嫉妬妄想が生まれることも。

 

 

 

【嫉妬妄想の原因】

 

 

認知症の人は、一方的に介護を受ける立場になります。

 

相手に申しわけない、情けないという気持ちから屈辱感や劣等感を抱きます。

 

そんなとき、少しでも相手をされなかったりすると、強い不安感が生まれます。この強い不安感が、外出中にほかの異性と会っているのではないか、浮気しているのではないかという嫉妬妄想になるのです。

 

さらに認知症や体の不調のために性交渉がうまくいかなかったり、断られたりすると、夫と妻の関係が変わってしまいます。

 

 

 

【嫉妬妄想の時の男性の気持ち】

 

 

・妻にとって、わたしはお荷物なのだろうか(不安)
・妻に見捨てられるのだろうか(恐怖)
・自分の頼りにしている人がそばにいてくれない
・自分に注意をむけてくれない(不満)

 

 

 

【嫉妬妄想で気をつけたい対応】

 

 

・「ばかばかしい」と、軽くあしらう(暴力に発展する)
・「そんなことあるわけないでしょ!」と強く否定する
・「そうしてほしいなら、そうしますよ」と、けんか腰になる
・「なんて酷いことを言うの!」
・「もう世話しません」(突き放す)

 

このような非難や離反、反撃を意味する言葉は口にしてはいけません。

 

認知症の本人にとって、自分の妄想の世界が現実です。それを否定する言動は受けつけないばかりか、いっそう攻撃的になりかねません。

 

 

 

【嫉妬妄想で望ましい対応】

 

 

・相手は自分に「かまってほしい」と受けとめる
・デイサービスなどを利用し、介護者以外の人間関係をつくる
・誤解を生まない努力をする
・具体的な行動の予定や帰宅時間を伝えてから外出する
・夜は隣に寝る
・日ごろからスキンシップをはかる
・異性の話など、感情を刺激する話題は避ける
・夫と一緒にいる時間を増やす
・暴言がひどいときは医師に相談して薬物療法も考える
・暴力をふるうようになったら、医師またはケアマネジャーに相談して入院治療も
・あなたを愛しているよ、と安心させる
・あなたを裏切らないよ、と誠意を伝える
・自分のした行動を証明できるよう、買ってきた物を示しながらおだやかに説明する
・外出先から、ときどき電話をして相手を安心させる

 

ご主人に妬かれているのであれば、あえて「妬いている」態度を見せるのも効果的。

 

たとえば、自宅にヘルパーさんが来ている時間に買い物をして、わざとヘルパーさんと2人だけになる時間を作ります。そして「今度のヘルパーさんは、若いうえ優しくていいですね」と、心配している(妬いている)姿をみせます。きっと「自分は愛されている」と思うでしょう。

 

 

 

【介護者から離れなくて困っている】

 

 

配偶者を亡くすなど、不安からか介護者にべったりで離れない、ことあるごとに呼ばれストレスがたまる介護者もいます。

 

これは、心のよりどころを亡くし、不安感から介護者に依存している状態です。

 

依存している人を突き放すと、よけいに不安感が募り、いつまでも依存がなくなりません。

 

依存を和らげるには、不安感を解消する必要があります。安心感を与えましょう。具体的には、いっしょに家事をする、必ず一声かけて離れるようにする、など孤独にさせないようにします。

 

また、あなたの代わりになる依存先も確保しましょう。家族、親戚、ホームヘルパー、デイサービスなどから探します。

 

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