認知症の徘徊を防止する7つの対策

前頭側頭型認知症(ピック病)

 

【前頭側頭型認知症の原因】

 

アルツハイマー病や脳血管性認知症の特徴は、脳の全体、とくに後頭部が委縮します。

 

前頭側頭型認知症(以下、前頭側頭型)は、脳の前方部(前頭葉や側頭葉)が委縮する病気です。ここに、タウたんぱくなど特殊なたんぱく質がたまります。

 

初老期(65歳未満)に発症することが多く、人格の変化が顕著。初期は、うつ病や統合失調症などと間違えられることもあります。

 

前頭側頭型の8割を占めるのがピック病で、症例を報告したアーノルド・ピック医師からついた名前です。

 

当初はアルツハイマー病と間違われることが多かった前頭側頭型ですが、PET検査によって容易に診断が可能になりました。PETは特殊なCTで、血流、酸素消費量などで脳機能を検査します。

 

ピック病は前頭側頭葉変性症のひとつで、前頭側頭葉変性症には、ピック病のほかに進行性流暢性失語、意味性認知症の3つがあります。

 

 

 

【前頭側頭型(ピック病)の特徴】

 

 

前頭側頭型(ピック病)は、2015年に厚生労働省により指定難病に指定されました。発症しやすい年齢は、50〜60歳代です。

 

前頭葉は、思考や感情、行動を。側頭葉は、記憶、判断、味覚、聴覚などを司ります。

 

高度な判断力や集中力を担う前頭葉と、記憶を担う側頭葉が委縮し、神経細胞にピック球と呼ばれる異常物質が蓄積します。なかには、ピック球がみられないこともあります。

 

記憶や見当識(時間・場所を認識する能力)の障害より、性格が変わったり、万引きなど社会的なルールを守らないといった行動が現れやすくなります。逆に意欲がなくなり、顔から表情が消えることも。

 

近所のコンビニやスーパーで物を盗んだり、飲食店で無銭飲食をしたり、バスや電車で痴漢をおこなうなど、社会のルールを無視した行為がみられたら、ただちに専門医を受診してください。

 

日常的に同じ言動を繰り返す常同行為(じょうどうこうい)も特徴的な症状です。極端になると、毎日の生活がまるで判を押したような行動パターンになります。

 

家族だけでなく、自分自身に対してまでも無関心になる場合も。食も極端に甘い物を好むなど、変化がみられます。

 

場所に対する認識が保たれていることが多いため、外出しても迷子になることは少なく。

 

ピック病のおもな症状は

 

・興奮しやすい
・甘いものが好き
・収集癖

 

となります。

 

いつも偉そうな態度をするため、医師によっては診察室で脚を組んだらピック病を疑います。

 

 

 

【前頭側頭型の症状の進行】

 

 

前頭側頭型の場合、重度になるまで身の回りのことに支障をきたしません。そのため介護保険を申請しても、要介護と認定されない場合があります。

 

>>初期

 

・性格が変わる
・だらしなくなる
・社交性が乏しくなる
・思いやりに欠ける行動をする
・落ち着きがなくなる
・万引きやセクシャルハラスメントなど、社会的ルールを守らなくなる
・毎日、決めたとおりの行動をする(常同行為)

 

>>進行期

 

・記憶障害や見当識障害が目立つ
・自分勝手な行動、反社会的な行動が増える
・同じ言動を繰り返す(毎食ヨーグルトと納豆を食べる、用もないのに同じ場所に通う)
・ことば数が少なくなる

 

>>重度

 

・身の回りのことができなくなる
・放尿や弄便などの症状が現れる
・異食がはじまる
・寝たきりになる

 

 

 

【本人には悪意や罪の意識はない】

 

 

前頭側頭型になると、反社会的な行為をすることがあります。

 

万引きや無賃乗車、露出行為、暴力や暴言など、反社会的な言動をするようになる人もいます。本人に悪意はありませんし、罪の意識もないことが特徴です。

 

常同行為によって、本人の行動の予測がつきやすいので、近所の店などに事情を話し、理解を求めます。

 

 

 

【前頭側頭型のチェックポイント】

 

 

40歳以上で、あてはまる症状が3項目以上あったら可能性があります。

 

・周囲の人に不遠慮で身勝手な言動をする
・引きこもりや何の行動もしなくなる
・身だしなみに気を使わなくなる
・万引きなどの軽犯罪をおこす。繰り返す
・毎日決まった時間に散歩にいく
・毎日決まった食事をする
・やめさせると怒る
・甘いものしか食べない
・際限なく食べる
・同じ言葉を繰り返す
・無口になる

 

50歳以上で、以下の項目から1つでも当てはまったら物忘れ外来などを受診しましょう。

 

・友人や知人の顔を見ても誰かわからない
・店や他人の庭先から物を勝手にもってくる
・長所など知っている言葉を聞いても意味がわからない
・一時停止違反など、交通違反を繰り返す
・急に毎日出かける

 

社会常識がなくなって子どものようになり、じっとしてられません。医者の待合室で歩き回ったり、外にでて歩き回ります。

 

 

 

【ピック病がアルツハイマーと誤診されることもある】

 

 

ピック病をアルツハイマーと誤診されると、医師はアリセプト(ドネペジル)という薬を処方します。

 

ピック病にアリセプトが処方されると、患者が異常興奮します。薬の副作用で、いてもたってもいられなくなり徘徊を繰り返すことも。

 

誤診により効果のない薬が処方され続けるだけでなく、症状が悪化する危険性もあるのです。

 

 

 

【ピック病の徘徊について】

 

 

徘徊によって迷子になり帰れなくなるのは、アルツハイマー患者です。ピック病の患者も徘徊はしますが、きちんと帰ってくることが多いのが特徴です。

 

毎朝、決まったコースを徘徊して帰宅するときはピック病を疑いましょう。アルツハイマー患者は早朝でなく、日中か夕方に外出します。

 

ただし、ピック病が重症化すると驚くほどの長距離を移動したうえ見つけられなくなるので注意が必要です。

 

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