住まいの工夫と環境を改善する

住まいの工夫と住環境を改善する

 

【正しい介助技術を学ぶ】

 

認知症の家族を自宅で介護するために、正しい介助技術を学びましょう。

 

介助に関する技術や知識がないまま介護を続けていると、本人だけでなく介護者の心と体に大きな負担をかけることもあります。

 

正しい介助技術は介護の本を読む、在宅で介護サービスを利用しているなら、介護スタッフに介助のしかたを教えてもらいます。正しい介助は、介助がスムーズに進みます。本人と介護者のストレスも減り、事故の予防に役立ちます。

 

本人が食事や着替えの介助のしかたが不快に感じると、次から食事や着替えを嫌がるため注意が必要です。

 

 

 

【正しい介助の基本】

 

 

>>入浴

 

浴室と脱衣所の温度差があると、ヒートショック現象で心臓発作をおこすことがあります。冬は脱衣所と浴室の温度差がないように、どちらも温めておきます。トイレもセンサー付きのセラミックファンヒーターを置いておくのがオススメです。

 

>>着替え

 

ボタンかけのように本人ができないことは介護者がおこないます。次にする行為(右手をここに通して、等)を具体的に伝えます。

 

>>食事

 

誤嚥をふせぐため、口に入れる量は少なめにする。目の高さを本人とあわせる。

 

>>排せつ

 

時間を決めて「トイレにそろそろ行きましょう」と声をかけます。

 

 

 

【住まいの工夫をする】

 

 

認知症になると記憶障害が起き、動作が緩慢になります。記憶障害では、トイレや物の置き場所がわからなくなります。加齢に伴う体の変化で動作が緩慢になり、段差でつまずいて転倒することも。

 

本人の症状や、症状の進行具合にあわせて環境を改善することで、症状の進行を緩やかにすることにもつながります。

 

本人ができることを最大限残す、引き出すために、移動やトイレ、着替え、食事などの日常操作はできるかぎり自立させます。

 

>>安全

 

・転倒防止に家の中の段差をなくす
・壁に手すりをつける
・お風呂、トイレにも手すりをつける
・ガスを使う時は家族と一緒に
・オール電化にする

 

>>清掃

 

・よく失禁する場所にビニールなどを敷いておく
・つまずかないよう、床に物を置かない

 

>>玄関

 

・マンションのドアは外側にわかりやすい目印をつける
・靴を脱ぎはぎしやすくする椅子を置く
・手すりをつける
・上がりかまちなど、つまずかないよう段差を減らす
・徘徊防止センサーをつける

 

>>階段

 

・手すりは切れ目なくつける
・ステップには滑り止めを張る
・足元を照らす照明をつける

 

>>トイレ

 

・トイレのドアに「トイレ」と書いた紙を張る
・廊下に「トイレ→」といった矢印マークで案内する
・夜、トイレの電気をつけておく
・トイレマット、スリッパはつまずき防止に置かない
・便座は体への負担が少ない洋式にする
・ドアはいつも少し開けておく
・介助しやすく、事故防止のためにドアは外開きや横開きにする
・鍵は取りはずす
・介助しやすいスペースを広くとる
・水洗レバーは、色テープを貼って目立たせる
・水洗レバーの近くに「流す」とシールを張る

 

>>浴室

 

・洗い場、浴槽の中に滑り止めマットを敷く
・手すりをつける
・腰かけて湯船に入るバスボードを用意する

 

>>台所

 

・ガスコンロは電磁調理器や自動消火機能のついたものにする
・食器棚には「皿」「コップ」など、どこに何があるか表示しておく
・洗剤など口に入れると危険なものは隠す、鍵をかけておく

 

>>寝室

 

・タンスは必要なものがすぐ出せるよう「下着」「ズボン」「靴下」と紙を貼っておく
・介助しやすいベッドに変更する
・ポータブルトイレやベッドサイド水洗トイレを利用する

 

環境が大きく変化することはストレスです。リフォームは一気にせず、可能なかぎり部分改修や福祉用具を置くなどして、環境の変化を少なくします。

 

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