認知症の薬とサプリメント

認知症の薬とサプリメントについて

認知症の薬

 

すでに死んでしまった脳細胞を甦らせる手はありません。しかし、あらわれている症状を薬を使うことで進行を遅らせることが可能です。

 

認知症の薬は「認知症の中核症状に作用するもの」と「徘徊、幻覚、うつ状態など周辺症状に作用するもの」の2種類があります。

 

 

 

【認知症の薬】

 

 

現在、認知症は薬によって進行を遅らせることしかできません。

 

けれど、近い将来に根治する薬が登場する可能性もあります。根治する薬ができるまでは、早期発見・早期治療が重要です。

 

日本の認知症の患者数は、2025年には700万人を突破するといわれています。なかでも半分以上を占めるアルツハイマー型認知症の治療薬は、以下の4種類。進行を遅らせる対症療法のみとなっています。

 

・アリセプト
・レミニール
・メマリー
・リバスタッチパッチ/イクセロンパッチ

 

>>アリセプト(ドネペジル塩酸薬)

 

アリセプトは国内ではじめてアルツハイマー病の治療薬として認可されており、記憶障害や見当識障害といった中核症状の進行を遅らせることができる薬です。最近では、レビー小体型の記憶障害の改善にも使われます。

 

服用によって脳内の神経間の伝達をスムーズにするアセチルコリンの量が増え、認知症の改善につながります。臨床試験では12週間後から認知機能の改善が認められています。

 

>>レミニール(ガランタミン臭化水素塩酸)

 

レミニールは、2011年と比較的さいきん認可されたアルツハイマー病の治療薬です。アリセプトと同様に、脳内のアセチルコリンの量を増やします。神経の情報伝達を促進することで、記憶障害、見当識障害、認知機能障害の進行を遅らせる働きもあります。

 

>>メマリー(メマンチン塩酸薬)

 

進行したアルツハイマー病では、脳内の神経伝達物質であるグルタミン酸が過剰になります。それによってNMDA受容体が持続的に活性化、神経細胞が障害を受けると考えられています。メマリーはNMDA受容体の活性化から神経細胞を守ります。

 

>>イクセロンパッチ、リバスタッチパッチ(リバスチグミン)

 

レミニールに続き国内で3番目に認可されたアルツハイマー病の治療薬がイクセロンパッチです。内服薬ではなく、薬剤を皮膚から吸収させる薬。薬がうまく飲み込めない高齢者にとってよいお薬です。

 

 

 

【アルツハイマー病の進行を抑える4種類の薬の効果】

 

 

脳は無数の神経細胞がつながっています。アルツハイマー病になると、神経細胞と神経細胞を橋渡ししている神経伝達物質がうまく働かず、気力や意欲が低下します。

 

そこで、神経伝達を活発にする薬で気力や意欲を向上させます。不安定な気持ちを穏やかにするメマンチンは、ドネペジルと併用して、怒りっぽさを抑える効果があります。

 

貼り薬のリバスチグミンは、1日1回。のみ忘れの多い人に向いています。ゆっくりと皮膚から薬の成分が吸収されるので、副作用が飲み薬より少なく。

 

意欲や気力を向上させる薬は、ドネペジル(のみ薬)、ガランタミン(のみ薬)、リバスチグミン(貼り薬)の3種類。

 

 

 

【周辺症状(BPSD)への効果が報告されている漢方薬】

 

 

漢方薬の効果についての研究も進んでいます。漢方薬を用いることで抗精神病薬の使用を減らすことができたという研究報告もあります。

 

もともと漢方薬は、体のバランスを整えて、その人の持つ治癒力や免疫力を高める薬です。

 

・八味地黄丸(はちみじおうがん) 認知機能の改善
・帰脾湯(きひとう) 認知機能の改善
・抑肝散(よくかんさん)、抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)怒りっぽさ、興奮、幻覚、妄想、睡眠障害、うつ、不安、せん妄などの改善
・釣藤散(ちょうとうさん) 幻覚、妄想、せん妄、睡眠障害の改善
・黄連解毒湯(おうれんげどくとう)怒りっぽさ、不機嫌、うつ、不安などの改善

 

 

 

【BPSDを改善する薬として使われる抑肝散】

 

漢方薬

 

BPSDは認知症の中核症状のほかに現れる、暴言や興奮、うつ、不眠、徘徊、妄想などの行動・心理症状(周辺症状)です。

 

BPSDを抑えるために抗精神薬や抗うつ薬、抗不安薬などが使われてきましたが、副作用によって転倒や運動障害、日常生活の動作が低下するなどの問題があります。

 

こうした副作用を生じず、安価ながらBPSDを改善する薬として2000年代から漢方薬の抑肝散(よくかんさん)が広く使われています。

 

筑波大学大学院人間総合科学研究科の水上勝義教授が関東地区の認知症患者106人を対象に抑肝散のBPSDに対する効果を調査しました。調査前半4週間服用したグループと調査後半4週間服用したグループのいずれも興奮などの症状が改善したのです。

 

多くは1〜2週間という早期に効果が現れ、飲むことを中止しても一定期間効果が持続しました。

 

 

 

【周辺症状の改善に使われる薬】

 

暴力

 

徘徊、暴力、妄想、幻覚、過食、不眠、無気力、不安、うつ状態など認知症の周辺症状を改善するために使われる薬には、いくつかの種類があります。

 

・抗うつ薬(トリプタノール、アモキサン、パキシルなど)
・気分安定薬(リーマス、デパケンなど)
・抗不安薬(リーゼ、デパスなど)
・睡眠薬(レンドルミン、ハルシオンなど)
・抗パーキンソン病薬(メネシット、エフピーなど)
・抗けいれん薬(フェノバール、アレビアチンなど)

 

があります。

 

これらの薬は症状が治まったら使用を中止します。

 

 

 

【期待される新薬 アデュカヌマブ】

 

 

2015年3月、国際アルツハイマー・パーキンソン病会議にて、開発中の新薬アデュマヌカブの臨床試験結果が発表されました。

 

アデュマヌカブは、米国の製薬企業バイオジェンの抗アミロイドβ(Aβ)抗体。試験の結果は、アルツハイマー病の原因のAβ量の低下と認知機能の改善という効果が示されました。

 

アデュマヌカブは、健康な高齢者の免疫細胞を用いてつくられたバイオ医薬品。月に1度、投与する点滴静注製剤です。投与する薬の量を増やすことで、患者の脳のAβ量が低下する効果が確認されています。

 

試験の終了は2022年を予定しています。

 

 

 

【薬の服用で家族が気をつけること】

 

 

>>副作用に注意する

 

薬には副作用があります。ただし、すべての人に副作用が起きるわけではありません。人によって副作用が強くでたり、軽くすむ場合もあります。高齢者は、体の抵抗力や生理機能が低下しているため、薬による副作用がおきやすくなっています。

 

薬を飲ませたら、呼吸が荒くなった、目が見えにくい、高熱が出る、手足のふるえ、動作が緩慢になる、ふらつき、眠気、頭痛、便秘、おなかの張りなど、体調や行動に変化がないか、常に注意が必要です。異常があれば、すぐに医師、薬剤師に相談します。

 

>>薬は家族が管理する

 

薬は家族が管理し、誤嚥に注意しながら本人が飲み終わるまで目を離してはいけません。

 

医師や薬剤師の説明をよく聞いて、飲み方や用量を守ります。素人判断で薬を飲むのをやめたり、量を増やすことをしてはいけません。

 

お薬手帳に副作用の経験やアレルギーの有無も記録し、医師・薬剤師に相談しましょう。

 

 

 

【認知症に効果のあるサプリメント】

 

 

玄米の米ぬかから抽出されたフェルラ酸に、アルツハイマー病の認知機能の低下を抑える効果があることが臨床研究によって明らかになっています。

 

イチョウ葉エキスは、世界数十か国が医薬品として認可しています。1994年にはドイツで認知症の治療薬として認可されました。

 

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