脳を守り鍛える日常生活のススメ

脳を守り鍛える日常生活のススメ

認知症予防

 

 

【脳とは】

 

脳とは人間が生活するために必要な器官のひとつ。ベッドから起床するにも、食事をするにも、勉強するにも、仕事をするにも、脳がなければ始まりません。

 

そして脳は、あなたが朝おきてから夜寝るまでずっと動いています。脳はとても働き者です。

 

心臓などの人口臓器が開発されて実用化されていますが、いまだに人口脳はありません。それだけ脳というのは代わりがきかない器官なのです。

 

 

 

【脳はとても大食漢】

 

 

脳の重さは人にもよりますが、男性で1300から1500グラム。女性で1200から1250グラム程度です。

 

1キロちょっとの脳が50キロや80キロの人間の身体を動かしています。

 

そのため脳はとても大食漢。エネルギーを使います。およそ人間が1日に使うエネルギーの約1/4を脳は消費します。

 

 

 

【アルツハイマー病は予防できない?】

 

 

アルツハイマー病は、脳にベータ・アミロイドというゴミが溜まることが原因とされています。脳にゴミがたくさん溜まると、周囲にある神経細胞が死んでしまったりして脳が委縮してしまうのです。

 

では脳にベータ・アミロイドというゴミが溜まらなければ。もしくはベータ・アミロイドが溜まっても薬などで消してしまえば、アルツハイマー病は発症しないのでしょうか。

 

30年ほど前から始まったアメリカの修道女を対象にした研究(ナン・スタディ)によれば、驚くべき事実がわかりました。

 

・認知症でなかった人の脳を解剖したところ、脳の中がベータ・アミロイドで一杯だった
・認知症だった人の脳を解剖したところ、脳の中のベータ・アミロイドが少なかった

 

のです。

 

つまり、ベータ・アミロイド(ゴミ)で脳が一杯になってもアルツハイマー病を発症しない人がいる一方、脳にゴミがそれほど溜まっていなくてもアルツハイマー病を発症する人がいます。

 

その違いは「若いときから脳を鍛えていたこと」でした。

 

文章を書く、誰かと話をする、想像力を豊かにする、など脳を鍛えれば、アルツハイマー病に負けない強い脳を作れる可能性がでてきたのです。

 

ちなみに別の研究では、アルツハイマーを発症した人の脳からベータ・アミロイドを消すワクチンを投与したところ、ベータ・アミロイドは消えても知的回復はまったく見られませんでした。

 

つまり、ベータ・アミロイドを消すのであれば、アルツハイマー病を発症する前でなければ意味がないのです。

 

 

 

【日常生活での脳の鍛え方】

 

 

高齢者になってから。アルツハイマー病を発症してからでも脳を鍛えるのは遅くありません。むしろ脳を鍛えないと、認知症は進行していきます。

 

脳はもともとたくさんの人とコミュニケーションするためにあります。日常生活で意識して脳を使いましょう。

 

・おしゃべりする
・歌をうたう
・意識して外にでる
・手を使う(模型をつくる、編み物や縫い物、刺繍をする、絵を描く)
・麻雀、将棋、オセロ、碁などのゲームをする
・犬や猫といったペットを飼う

 

 

 

【水をたくさん飲むと認知症が治る??】

 

水中毒

 

高齢者に食事以外で水をたくさん飲ませると、心臓に負担がかかり、心不全につながる恐れがあります。お医者さまの中には「心不全にとって水は毒」とおっしゃる方もいます。

 

水をたくさん飲むことは、弱った心臓に無理やり仕事をさせることと同じなのです。

 

介護施設にはいっている認知症患者が病院に心不全で運ばれることが増えています。どうやら「水をたくさん飲ませると認知症が治る」「水を飲ませないと認知症が進行する」「水を飲めば認知症にならない」と施設職員が誤解しているためです。

 

水分が不足して脱水症状をおこすと意識がぼんやりしたり、幻覚をみる「せん妄」が起きます。けれど、せん妄は認知症ではありません。水分を補給することで改善します。そもそも認知症は脱水が原因ではないため水分を補給しても改善しませんし、治ることはないのです。

 

ただし、せん妄は認知症患者も水分不足でなるため注意が必要です。

 

高齢者の1日における水分の必要量は1.5リットルから2リットルで、うち1リットルは食事からとっています。残りの水分の500ミリリットルから800ミリリットルを飲むようにしましょう。

 

水分のとりすぎはトイレの回数が多くなりますし、介護施設であればおむつの交換回数も増えて職員が大変です。

 

 

 

【認知症になりやすい職業、なりにくい職業】

 

交通整理員

 

認知症になりやすい、なりにくい職業が存在するようです。

 

>>認知症になりやすい職業

 

単純作業をするオペレーター、肉体労働者、スーパーのレジ係など、他者から指示をうけて単純な作業をする職業。

 

>>認知症になりにくい職業

 

弁護士、医師、カウンセラー、ソーシャルワーカー、牧師など、人と対話しながら助言や指導をする、診断を行う職業。

 

スペインのサラゴサ大学の研究によると、認知症患者の67%に職業との関連が認められました。たとえば、肉体労働をしている人は知的な仕事をする人に比べて認知症になる危険度が高くなっています。

 

アメリカのウィスコンシン大学アルツハイマー病研究センターの報告でも、頭を使って人と関わる職業の人は認知症になりにくいのではないかとしています。

 

頭を使い多くの人と関わる職業なので、記憶力や問題解決能力が低下することなく維持できている傾向もありました。

 

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