ヤマブシタケのサプリの効能
ここでは臨床試験やマウスの実験により、数々の有効性が明らかになってきたヤマブシタケについて説明します。
【ヤマブシタケとは】
ヤマブシタケ(山伏茸)は、日本・中国・ヨーロッパ・北アフリカ・北アメリカなどに広く分布する食用きのこの一種です。
昔から日本にも広く分布していますが、足が早い(傷みやすい)ため、調理するにも扱いがむずかしく、あまり食用としては知られていませんでした。
古代中国では不老長寿の薬として珍重され、皇帝も好んで食したといわれ、宮廷料理や薬膳料理などに使われています。
字のごとく、金剛杖とほら貝などを持ち、特定の山に登って修行する人の衣装の袈裟(けさ)についている梵天(丸く白いポンポン)に似ていることから、この名前がついたとされています。
【ヤマブシタケの効能】
多くの有効成分が含まれるヤマブシタケですが、とくに記憶力や認知力など脳の働きにたいして働きかける「ヘリセノン」が認知症の対策成分として研究者の注目を集めています。
認知症のおもな症状のひとつである記憶障害は、脳の神経細胞が破壊されることによっておこります。脳は神経細胞であるニューロンとグリア細胞から構成されており、神経細胞は情報の伝達と処理を、グリア細胞はNGF(nerve growth factor)という神経成長因子を分泌し、神経細胞の成長や修復を促します。
思考や記憶をつかさどる神経細胞のニューロンと、神経細胞の周囲をとりまくグリア細胞によって、脳は構成されています。実験によれば、ヤマブシタケを摂取すると、グリア細胞からNGFの分泌が活発になることがわかってきました。
NGFには新しい脳神経細胞を生み出して成長させる働きや、傷ついた神経細胞を再生させる作用があると考えられます。なお、NGFは外から摂取しても分解されてしまうため、グリア細胞を刺激してNGFを分泌させることが必要です。その作用をもっているのが、ヤマブシタケに豊富に含まれる「ヘリセノン」なのです。
なお天然のヘリセノンは、ヤマブシタケにしか含まれていません。
またアルツハイマー病の大きな原因と考えられるアミロードβペプチドの脳の沈着が、ヤマブシタケの摂取によって抑制されることも動物実験で確認されています。
【ヤマブシタケの改善データ】
「健康」「壮快」といった健康雑誌によるヤマブシタケの改善データが公開されています。
>>改善データ その1
軽度認知症患者を2つのグループに分け(14名と15名)、14名のグループにヤマブシタケ乾燥錠剤、15名にプラセボ(疑似剤)をそれぞれ1日3グラムずつ、16週間摂取してもらい、4週間の観察期間を設ける。
改訂・長谷川式簡易知能評価スケールで調べたところ、16週目時点で疑似剤摂取グループでは、ほとんど効果がなく。ヤマブシタケ摂取グループは全員、開始時に比べて1〜6ポイント、スコアを上昇させた。
ヤマブシタケ摂取グループは、8週間後に記憶力テストの成績が向上。物忘れの改善も認められた。長く摂取するほどテストの成績は向上した。さらに16週目以降に摂取を中止したところ、スコアの低下がみられた。
>>改善データその2 認知症薬のアリセプト(ドネペジル)とヤマブシタケの効能の比較
認知症患者を2群にわけ、10人にはヤマブシタケ錠剤を1日12粒。7人にはアリセプトを1日5ミリグラムを24か月間、飲み続けてもらう。その経過をMMSE(簡易認知症検査方法)で観察した。
ヤマブシタケ摂取グループは、24か月連続でテストの成績が向上した。たいしてアリセプトを飲んだグループは12か月目以降から成績が徐々に下がっていった。
この実験では、ヤマブシタケによる脳内グリア細胞の活性化と抗血小板効果がみられ、脳血管型の認知症とレビー小体型認知症に対する効果が認められました。
>>改善データその3 要介護度が5から4に改善
要介護度とは、介護を必要とする人の必要介護度合を身体状況から7段階に区分けしたものです(要支援1、2、要介護1〜5の7段階)。
要介護度5になると、食事や排せつがほとんど自分でできない、立つ・歩く動作がほとんどできない、意思の伝達が困難でほぼ寝たきりの状態をさします。
介護施設に入院中の認知症患者50人に半年間、乾燥ヤマブシタケを毎朝5グラム入れた味噌汁を摂取してもらう。摂取しない50人の患者グループとFIM値(生活の自立度を測る国際的評価基準)を比べる。
ヤマブシタケを摂取したグループの認知症患者7人が自立度を改善。要介護度5と判定されていた3人の介護度が要介護度4に改善。
>>海馬におけるNGFの分泌量を調べる実験
記憶をつかさどる脳内器官の海馬におけるNGFの分泌量を調べた実験があります。
人のグリア細胞にヤマブシタケ抽出物を加えた試験管の実験では、加えない状態と比較して、NGFの分泌量が4倍以上に増加。その培養液を神経分化モデル細胞に与えると、神経細胞から細長い突起が伸びているのがわかった。
またマウスを使った実験では、ヤマブシタケを投与したマウスは投与しないマウスに比べて、海馬におけるNGF遺伝子の発生量が約1.5倍に増加した。
【ヤマブシタケの値段】
インターネット通販の楽天市場やAmazonでの生ヤマブシタケの販売価格は、1キロで2500〜4000円(送料含まず)です。
スーパーを探しましたが、わたしの近所ではみつかりませんでした。インターネットの日記を読むと、スーパーで1パックを30円で買った、80円で売っていたというものもみかけます。
【ヤマブシタケの食べ方】
よい出汁がでるのでお吸い物がおススメです。酢の物もいいでしょう。味噌汁に入れるのであれば白味噌があいます。
天ぷらも美味しいけれど、油の摂取を控えているかたは調理方法に注意が必要です。
【ヤマブシタケの副作用】
自然素材ですし、長く食用されてきたキノコなので副作用の心配はなく、毎日安心して続けることができます。
しかし、ヤマブシタケによってアレルギーをおこしたという論文もあります。卵や牛乳、小麦、ソバといった食品によってアレルギーをおこす人はいます。
どんなに良いものでもたくさん食べ過ぎたり、人によっては体にあわない可能性があることだけは忘れないでください。
【ヤマブシタケのサプリメント通販】
近所のスーパーで売っていない。生でたくさん買っても食べきれない、傷みやすくて心配。
そこで丸ごと粉末にすることで、有用成分を手軽に摂取できるサプリメントもインターネットで通信販売されています。