インターバル速歩で糖尿病など生活習慣病を予防する
米国イリノイ大学の研究によれば、1年間毎週10キロから15キロ歩いた人は、13年後、認知症になる確率が50%に減少したという結果が報告されています。
長寿の双子で有名になった「きんさん・ぎんさん」。100歳で軽度の認知症だった姉のきんさんは、自分の足で歩くことで認知症を克服しました。
ウォーキングが認知症の予防になる、という科学的な裏づけもあります。それは、アルツハイマー病の原因になるアミロイドベータペプチドを分解するネプリライシンという酵素は運動することによって増え、知能の低下を防ぐ、というものです。
健常者と認知症の中間の段階であるMCI(軽度認知障害)。日常生活に支障はなくても、そのままでいると約5年でその半数以上が認知症へ進行するともいわれています。
研究によれば、MCIの段階で適切な予防や治療を行えば、認知症の発症を防いだり、発症を遅らせることができることがわかっています。
【認知症予防にはコグニウォーキングが最適】
コグニウォーキングとは、国立長寿医療研究センターが開発したウォーキングと認知課題を組み合わせた、認知症予防を目的とした取り組みです。
簡単にいえば、少し汗ばむ(脈拍数が上がる)程度のウォーキングをしながら、足し算や引き算、九九といった初歩的な計算で「頭を使う」もの。
国立長寿医療研究センターによれば、簡単な計算をしながら毎日1時間歩いたところ、脳内にたまりはじめていた認知症の原因物質といわれるアミロイドベータペプチドが消えていたという結果もでています。
【インターバル速歩で肥満、高血圧、高脂血症、糖尿病を改善する】
肥満、高血圧、高脂血症、糖尿病は、おもに食生活と運動不足が原因でおこる生活習慣病です。
とくに肥満は糖尿病の原因になりますし、糖尿病の人が認知症になる確率は健常者の2倍から4倍ともいわれています。
軽度認知障害(MCI)の予防にはコグニサイズ(コグニウォーキング)が有効なことは科学的に証明されています。しかし、頭を使いながらの運動は苦手だったり、毎日1時間も歩くのは大変な人もいるでしょう。
どんなに健康に良いとわかっていても、続かなければ意味がありません。
そこで、まずは生活習慣病の改善を誰でも手軽に行うことができるインターバル速歩がおススメです。
【インターバル速歩の効果】
インターバル速歩なら、1回3分の「早歩き」と「ゆっくり歩き」を5回繰り返すだけ。早歩きの合計が1日15分以上になるようにします。まず週4日以上・5か月間継続してください。
60歳前後の中高年の人を「一般のウォーキングをするグループ」と「インターバル速歩を行うグループ」にわけ、約半年後に効果を比較しました。
結果、インターバル速歩を行ったグループは、最大酸素摂取量と太ももの筋肉量が増加しました。さらにインターバル速歩のグループは血圧の数値も改善したのです。
ほかにもインターバル速歩を続けることで、よく眠れる、肥満が解消する、手足の冷えが改善、ストレス解消、といった効果が期待できます。
【インターバル速歩のやり方】
ゆっくり歩く歩行と、早く歩く速歩を3分間ずつ交互に繰り返すのがインターバル速歩の基本。
早歩きのときは「ややきつい」と感じる速さで歩きます。ふだん歩くときは50%の体力ですが、早歩きのときは70%(中強度以上)の体力を使います。
姿勢は胸を張り、歩幅は大きく、手は開き、腕を後ろに大きく振ります。猫背や反り腰にならないよう注意が必要です。
ペースは「上を向いて歩こう」の曲のリズムにあわせます。
なお早歩きは一般の歩行よりも怪我の危険性が高くなります。ストレッチなど準備運動はしっかりと行いましょう。また脱水症状にならないよう水分補給を15分おきにする、空腹時は行わない、など安全に配慮してください。
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