最適な睡眠が脳の老廃物のアミロイドβを排出する
入眠困難や中途覚醒、早朝覚醒などがある睡眠が不安定な人は、睡眠が安定している人に比べてアミロイドβ(ベータ)の蓄積が5・6倍ということがわかりました。
(週刊朝日MOOK すべてがわかる認知症2017 より引用)
昼寝しない人の認知症発症リスクを1とすると、30分未満の昼寝をする人はリスクが約6分の1である一方、1時間以上の昼寝をする人はリスクが約2倍だということがわかっています。
(洋泉社MOOK 最新科学で解き明かす最高の睡眠 より引用)
高血糖、肥満、高血圧、肌トラブル、ぜん息、花粉症、免疫力の低下。正しく眠れていないと体が病気のデパートに!
(主婦の友社 健康 2017年9月号より引用)
【質のよい睡眠の必要性】
最近の研究では、睡眠時間や眠りの質は認知症と深くかかわっていることが明らかになってきています。
厚生労働省が平成27年におこなった国民健康・栄養調査によれば、1日の平均睡眠時間が6時間未満の人の割合は約4割でした。この10年で、日本人の睡眠時間は短くなっています。
また睡眠時間が6時間未満の人は、6時間以上の人に比べてあきらかに入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒を訴える人が多いことがわかっています。ようは眠りの質が悪いのです。
認知症でもっとも多いアルツハイマー型は、脳にアミロイドβというたんぱく質が蓄積します。蓄積したアミロイドβが神経細胞を死滅させることで、認知症が発症すると考えられています。
しかし、人間の脳には眠ることで蓄積した老廃物を排出する働きがあります。睡眠不足になると老廃物が排出されず、溜まることで認知症になるリスクもあがるのです。
認知症を予防するために、質のよい睡眠をとりましょう。
【理想的な睡眠時間】
ある研究では睡眠時間を「6時間以下」「7時間」「8時間以上」の3グループに分け、認知症の発症リスクを調べました。
7時間睡眠以外は、認知症のリスクが高まるという結果が出たのです。
【昼寝のすすめ】
人間の身体のリズムで「午後2時から午後4時」に眠気のピークがやってきます。
この時間は仕事や運転のミスや事故が増えます。イタリアの高速道路での居眠り運転事故のデータでは、深夜3時と午後2時頃に大きなピークがあり、事故のリスクが高まっています。
そこで午後2時頃に軽い昼寝をするのが望ましく。横になって眠らなくても、目をつぶって休むだけでも十分な効果が期待できます。
目から入る情報を遮断するだけで、脳は休むのです。
年齢的には40代までは15分から20分。50代以上は30分までにします。それ以上の昼寝は逆に認知症のリスクをあげるため注意が必要です。
【理想的な睡眠をとる方法】
朝は脳を目覚めさせるために太陽の光を浴び、水分をたっぷりとります。昼は14時すぎに30分の昼寝をとります。
夕方になったらコーヒーや緑茶、ウーロン茶、ほうじ茶、チョコレート、栄養ドリンク、ココアなど、覚醒作用のあるカフェインを含む飲み物や食べ物をとるのは避けます。カフェインの効果は高齢者では5時間から7時間も続きます。
夕食は寝る3時間前にはすませます。お風呂は寝る1時間前に入るのがおススメです。
水分をあまりとると夜中に何度もトイレに起きるため控えます。高齢者の夜間頻尿は睡眠の質を下げます。夜中に3回以上トイレに行くひとは病気の可能性もあるため治療を受けます。
寝るときは寝室を暗くします。また寝る直前までパソコンやスマートフォンを見るのもやめましょう。交感神経を活発にして眠れなくなります。モニターから発するブルーライト光線にも覚醒作用があるので、寝る30分前には使用をやめるか、ブルーライトをカットする眼鏡を使うようにします。
寝酒は睡眠を浅くします。タバコも覚醒作用が数時間続くためやめましょう。
【3・3・7睡眠法】
主婦の友社の雑誌・健康で「やせる・血糖値が下がる」と紹介されている3・3・7睡眠法も認知症の予防に効果がありそうです。
この睡眠法の基本は3つ。
・寝始めの3時間は目覚めないように眠る
・夜中の3時にはグッスリ寝ているようにする
・1日の睡眠時間の合計を7時間にする
と簡単です。
【無料でパンフレットをお届けします】いつでもどこでもALSOKが駆けつける まもるっく