緑内障と認知症の関係について
緑内障は、白内障とならぶ代表的な目の病気で、失明原因の第1位にランクされる疾患です。
(主婦の友インフォス 白内障・緑内障・黄斑変性症を自力でぐんぐん治すコツがわかる本 より引用)
わが国では失明原因の1位の目の病気で、40歳以上の20人に1人が「緑内障」です。70歳以上では10人に1人の割合でみられます。
(日東書院 図解 白内障と緑内障の正しい知識と最新治療 より引用)
(緑内障の症状は)視野が狭くなる。しかし初期は自覚症状がないことがほとんど。失明にいたる場合がある。
原因のわからない「原発開放隅角緑内障」「原発閉塞隅角緑内障」が日本人の緑内障の9割を占める。
(技術評論社 病気を見きわめる目のしくみ辞典 より引用)
日本の緑内障患者は1987年は14.4万人でしたが、2011年には72万人に達し、二十数年の間に5倍以上にふえています(厚生労働省調査)。
(主婦の友社 よくわかる最新医学 目の病気の最新治療 より引用)
(緑内障になると)一度ダメージを受けた視神経や、すでに見えなくなってしまった視野部分は、残念ながら回復することはできません。治療は、いかに現状を維持できるかを中心に進められます。
(主婦と生活社 実例でよくわかる!目の病気 より引用)
【緑内障とは】
緑内障とは、眼でみた画像を脳に送る視神経が損傷し、少しずつ見える範囲が狭くなる病気です。
加齢などによって眼の水晶体が濁り視界がぼやけたり、二重に物が見える「白内障」が認知症と関係がありそうなことはすでに書きました。
人間は情報の約8割を視覚から取り入れています。だから、眼がハッキリ見えないと生活の質(QOL)は確実に落ちます。
しかも薬や手術で治療できる白内障とちがい、緑内障は失った視野をもとに戻す方法はいまのところありません。放置すれば視力は低下し、最終的に失明することがあるのです。
緑内障が認知症のひきがねになるかもしれませんし、認知症が発症してから緑内障になれば治療も簡単ではありません。眼が見えないのに徘徊し、家族や施設職員に心配をかける患者さんもいます。
ここでは緑内障の原因や治療法、予防法などをお教えします。
【緑内障の原因】
緑内障の原因は、おもに眼圧(がんあつ)です。眼球は丸くなっていますが、水風船と同じで中に房水(ぼうすい)という透明な水で満たされています。
房水は眼圧を一定に保つ液体であり、目の中に酸素と栄養を運んだり、老廃物を外に洗い流す働きがあります。水風船が水を入れすぎると膨らみすぎて破裂するように、眼球も中身の房水が増えすぎると膨らんで奥にある視神経を圧迫します。視神経は眼球でみた画像を脳に送る、いわば配線。その配線が眼圧で切れてしまうために視野が欠けるのです。
家電製品でいえば扇風機や電気ヒーターのコードを足で踏んでしまい、コードが断線して使えなくなるようなもの。
緑内障になる可能性は
・40歳以上
・強い近視である
・眼圧が強い
・血縁に緑内障になった人がいる(遺伝)
といった人にあります。
【緑内障の症状】
多くの緑内障は進行が非常にゆっくりすすみます。代表的な症状は「視野の欠けによって、ぼやけて見える」ですが、片方が見えづらくなっても、もう片方の目が補ってしまい、見えないことに気づきにくくなるのです。
そのため大規模調査によって緑内障と判明した人のうち、およそ9割は自覚症状がありませんでした。気が付いた時にはすでに治療もできないほど症状が進行していて、失明してしまうことがあるのです。
【緑内障の診断と検査】
緑内障の治療は、早期発見・早期治療が基本です。
会社の一般的な健康診断では、緑内障をみつけることは難しいため、40歳を過ぎたら自覚症状がなくても年に一度は眼科で緑内障の診察と検査をしてもらいましょう。
眼科でする検査には問診をはじめとして、緑内障を示す3つの症状「眼圧が高い」「視野が欠けている」「視神経に障害がある」があるか確認するため複数の検査をおこないます。
・視力検査
・屈折検査
・調節検査
・眼圧検査
・隅角検査
・眼底検査
・画像検査
などが実施されます。
【緑内障の治療法】
緑内障の治療法は3つ。どれも眼圧を下げることを目的としています。
・薬物療法
・レーザー治療
・手術
です。
>>薬物療法
薬物療法は、眼圧を下げる点眼薬を使い、眼球による視神経の圧迫を軽くします。点眼薬は、房水の排出を促す薬と房水の量を減らす薬に分けられます。
眼圧の正常範囲(基準値)は7〜21mmHgなので、22mmHg以上は数値を下げます。ただし、眼圧の値が正常値の範囲内でも起こる「正常眼圧緑内障」もあるため、正常値でも安心できません。
点眼薬にも、しみる、かゆみ、充血、頭痛や動悸、めまいなどの副作用が現れることがあります。
>>レーザー治療
房水の排出がうまくいかない場合、レーザーで線維柱帯の詰まりを軽減したり隅角をふさぐ虹彩に穴をあけて房水の流れを改善します。レーザー治療には、眼圧を下げる線維柱帯形成術と虹彩切開術があります。
レーザー治療は入院せず外来で受けられるのがメリットです。
>>手術
薬やレーザーによる治療でも眼圧が下がらない場合、手術がおこなわれます。線維柱帯切除術では、房水の排出をよくするため強膜(眼球のいちばん外側の膜)の一部を切除して、新しい排出口をつくります。
こちらは原則として入院が必要になります。また白内障との同時手術が行われることも。
【緑内障の予防法】
緑内障にもさまざまなタイプがあります。閉塞隅角緑内障の人は、瞳孔を広げる成分の含まれる風邪薬、胃薬、血圧降下薬などに注意が必要です。
また線維柱帯の目詰まりをおこすことがあるステロイド薬も気をつけましょう。ステロイドを使うと眼圧があがる遺伝子をもつ人もいるからです。
少量の酒や適度な飲酒は眼圧を下げますが、タバコは血液の循環を悪くするため禁煙します。お風呂に入るときは半身浴で血行不良を改善しておきます。
目はビタミンCを大量に消費します。ビタミンCが不足すると目のあらゆるところに悪影響を及ぼします。食事でとれなかったビタミンCは青汁で補いましょう。
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