認知症の徘徊を防止する7つの対策

認知症の徘徊を防止する方法とは

 

【認知症とは】

 

 

認知症(にんちしょう)とは、脳の神経細胞がおかされ、認知機能が低下する状態のこと。

 

具体的には、記憶力や判断力などがにぶり、生活が困難になっている状態を指します。

 

認知症という病名ではなく、アルツハイマー病や脳梗塞、脳出血など、さまざまな病気によって引き起こされる症状の名前です。

 

脳細胞が死んでしまったり、働きが悪くなることによって記憶力や判断力に支障をきたし、自立した生活が困難になったり、妄想・徘徊など周辺症状(BPSD)で周囲とトラブルを起こします。

 

さらに症状が進むと、歩行が困難になったり、食べ物をうまく飲み込めないなど、運動機能が低下して寝たきりになる危険性もでてきます。

 

 

 

【加齢によるもの忘れと認知症のちがい】

 

 

昨日の夕食のメニューを思い出してください。

 

老化現象である「もの忘れ」は「メニューを思い出せない」「もの忘れをした自覚が本人にある」のが特徴です。症状もきわめてゆっくりと進行します。

 

認知症は「食べたこと自体を忘れる」「もの忘れをした自覚が本人にない」のです。しかも短期間で急激に症状が進行します。

 

老化現象のもの忘れは日常生活に支障がありません。ゴミの日を忘れるなど、一般的な老化は仕事や生活で困ることはありません。

 

けれど認知症の場合、進行すると仕事や日常生活にほころびが生じ、日常生活に支障をきたします。たとえば、火のあつかいがぞんざいになったり、トイレの位置がわからず廊下でしてしまったりします。

 

 

 

【認知症の三定義】

 

三本の矢

 

認知症は病名ではありません。約70種類の疾患の総称です。記憶力・判断力の障害といった中核症状、妄想や幻覚といった周辺症状があらわれます。

 

認知症の定義は大きくわけて以下の三つになります。

 

・認知機能が徐々に低下する
・症状は改善することもあるが、脳におきた変化は戻らない
・日常生活や社会生活に支障をきたす

 

社会生活や日常生活に支障がない状態はMCI(軽度認知障害)と呼ばれ、うち4割が元に戻り、4割は認知症に進み、うち2割は別の病気とみられています。

 

 

 

【認知症の約90%を占める三大認知症】

 

夜間徘徊

 

認知症は脳の病気です。

 

脳の神経細胞がなんらかの原因疾患によって破壊され、物事を判断したり記憶する力が障害されるもの。原因疾患の数は200以上あるといわれています。

 

認知症の原因疾患の割合は、以下のとおり。

 

・アルツハイマー型 55%
・レビー小体型 15%
・脳血管性 10%
・前頭側頭型 2.5%
・その他 17.5%

 

約90%がアルツハイマー型、脳血管性、レビー小体型で占められています。

 

脳の神経細胞内にβアミロイドタンパクが蓄積しておこるものがアルツハイマー型、脳梗塞や脳出血といった脳血管性の病気が原因な脳血管性、レビー小体という異常タンパク質が蓄積しておこるのがレビー小体型です。

 

 

 

【2025年には700万人を突破する認知症患者たち】

 

 

厚生労働省は2016年7月27日、2015年分の簡易生命表の概況を発表しました。それによると2015年における日本の平均寿命は、男性が80.79歳、女性が87.05歳でした。

 

急速に高齢化の進む日本。現在65歳以上の高齢者の割合は、4人に1人。

 

また、60歳以上の人が将来、認知症になる確率は55%(2人に1人)といわれており、誰もがなりうる病気として、特別な病気とはいえない時代になりました。

 

厚生労働省は2015年に、全国で認知症患者の数が2025年には700万人を超えるとの推計値を発表しました。65歳以上の高齢者のうち、5人に1人が認知症になる計算です。また、4人に1人が予備軍です。

 

認知症の人は年々増加し、日本には現在、462万人。また、正常な状態と認知症の中間の予備軍「軽度認知障害(MCI)」の人も400万人おり、862万人が認知症関連の障害をもって暮らしています。約10年で1.5倍に増える見通しです。

 

問題は、半数以上の人が病院で診断を受けていないこと。

 

今や、ありふれた病気でもある認知症。これからの対策は、1次予防として発症の予防。2次予防では病気の早期発見と早期治療。3次予防では症状の進行を防止することが大切です。

 

 

 

【徘徊による行方不明者1万人以上の現実】

 

 

他人の家の庭に迷い込み凍死。
近所の空き屋の庭先で遺体がみつかる。
7年してから特別養護老人ホームで発見される。
イニシャル入りの結婚指輪をつけ、整った身なり。それなのに身元が判明しない。

 

NHKの独自調査によれば、認知症やその疑いがあり、徘徊などで行方不明になった人は2012年の1年間でおよそ1万人でした。

 

同年末の時点で死者・行方不明者はあわせて550人を超え、身元不明のまま保護され続ける人も全国に存在します。

 

警視庁によれば、2015年の徘徊での行方不明者は1万2208人。前年比で13.2%増。

 

2017年の1年間に全国の警察に届け出があった行方不明者のうち、認知症が原因なのは1万5863人だったことが警察庁のまとめでわかっています。

 

 

 

【JR事故で考える家族の責任問題】

 

 

愛知県大府市で2007年、認知症で徘徊中の男性が列車にはねられて死亡した事故が発生しました。

 

JR東海は、家族に約720万円の損害賠償を求めた訴訟をおこしました。

 

最高裁は、家族に監督義務なしと判決。遺族男性の家族は支払いを免れました。けれど、今後すべての徘徊事故が同様の判決になるとはかぎりません。

 

 

 

【このサイトについて】

 

 

はじめまして。消費生活アドバイザー(消費生活専門相談員)の認知症徘徊対策アドバイザーと申します。

 

数年前に母親が認知症になり、言動や徘徊に悩まされました。母は現在、介護施設に入所していますが、母の介護を通じて認知症の存在や対応の大切さを知りました。

 

同じように認知症の徘徊に悩んでいるご家族の役に立ちたくて、このサイトを作りました。

 

どうしたら徘徊を予防できるか、どうやって見つけるか、どのように家に帰宅させるか、など、実体験をもとにお教えいたします。

 

また認知症の基礎知識、予防法、介護保険・介護施設やサービスの利用法も掲載しました。

 

このサイトを読めば、あなたは認知症の徘徊で悩むことがなくなります。

 

【無料でパンフレットをお届けします】いつでもどこでもALSOKが駆けつける まもるっく

 

 

 

>>>認知症で徘徊をする原因を知る・考える(対策その1)