認知症を改善するプラズマローゲンの効果
認知症で妻がわからなくなった70代男性がプラズマローゲンで再び妻を認知できるようになった。
(SAPIO 2015年9月号 ボケ対策 より引用)
認知症を改善する「プラズマローゲン」
(農林統計出版 健康を担う「日本の食」病気を生む「欧米の食」より引用)
認知症の脳はプラズマローゲンが少ない。
プラズマローゲンは脳神経細胞をストレスから守る。
ホヤプラズマローゲン摂取によるアルツハイマーモデルラットの空間認知力低下の防止。
(水産学シリーズ171 アンチエイジングをめざした水産物の利用 より引用)
高齢化を迎えた国の課題は認知症対策。人間の病気の原因のひとつに不適切な食事や、必要な栄養が補給されていないことがあります。これはアルツハイマー病やレビー小体型認知症も同じです。
外国の研究によれば、アルツハイマー病患者の脳や血清中からリン脂質のプラズマローゲンが減少していることが明らかになりました。
たとえば海馬におけるプラズマローゲンの減少は、アルツハイマー病患者のほうが健常者より20%も減っています。また血液中におけるプラズマローゲンの減少においては、アルツハイマー病患者は健常者の約半分に減っていました。
2012年、九州大学の藤野武彦名誉教授らの研究チームは、アルツハイマー型認知症患者において赤血球プラズマローゲンが低下することを証明しました。
Guan Z et al. J Neuropathol Exp Neurol.58.740-747(1999)
Goodenowe DB et al.J J Lipid Res.48.2485-2498(2007)
出典 ホタテ・プラズマローゲンとシニア世帯の健康
【プラズマローゲンとは】
プラズマローゲンは、人や動物の組織に存在する抗酸化作用をもったリン脂質の一種。鶏やホヤから抽出できますが、最近ではホタテ貝から抽出したものがとくに有用であることがわかりつつあります。
リン脂質は、大切な細胞膜をつくる原料です。健康であれば魚介類に含まれるリン脂質・不飽和脂肪酸からプラズマローゲンが合成されます。
しかし体が酸化したり、ストレスがあると脳内のプラズマローゲンが減少します。
このことから、認知症の人は何かが原因でプラズマローゲンの働きが落ちている、もしくは作れない状態ではないかと考えられています。
そこで外部から脳にプラズマローゲンを補給すれば認知症が改善されるのではないか・・と藤野武彦教授らによってオープン試験が行われています。
【ホタテ貝から抽出されたプラズマローゲンの効果】
プラズマローゲンは鶏やホヤからも抽出されますが、とくに取り出しが簡単なホタテ貝から抽出された成分の特長は2つあります。
・オメガ3系の不飽和脂肪酸のDHA、EPAがある
・脳への取り入れがよく、炎症も抑えてくれる作用がある
ただし、鶏由来プラズマローゲンはコリン型といわれるプラズマローゲンを多く含有しており、コリン型プラズマローゲンは小腸から体内へ吸収されます。貝類に多く含まれるホタテやホヤなどエタノールアミン型のプラズマローゲンが小腸で吸収されるのは約1割度で、9割は吸収されません。効率よく体内に吸収されるという点では、鶏由来プラズマローゲンに軍配が上がるといえそうです。
また研究を通してプラズマローゲンはアルツハイマー型認知症だけでなく、レビー小体型認知症にも有効なことがわかってきました。
ほかにもプラズマローゲンを投与することによって、抗神経炎症作用と抗酸化作用がある、シナプスと神経細胞の機能を増強させる、神経細胞死の抑制と神経細胞の新生を促す、アミロイドベータの蓄積を抑制する、学習と記憶の機能向上、脳の神経栄養の因子になる、などをもたらしてくれるといいます。
【大規模臨床試験のオープン試験の中間報告の結果】
ホタテ貝由来のプラズマローゲンを摂取する2種類の大規模臨床試験が進行しています。そのうちの一つ、オープン試験の中間試験結果を記載しておきます。
・服用開始後、三カ月後には試験参加者の60%に顕著な改善がみられた(MMSE ミニメンタルテスト検査)
・70代の意味性認知症の男性。妻を兄弟と答えていたが、一か月でMMSEが5点改善。妻を認識できるようになった
・70代のアルツハイマー型認知症の男性。囲碁六段が初段まで落ちたが、服用一か月で五段まで回復
(出典 SAPIO 2015年9月号)
【プラズマローゲンのサプリメントについて】
そのままホタテ貝を食べても、容易にプラズマローゲンは補給されません。それは人間の体はホタテ貝そのものからプラズマローゲンを取り出して活用できる機能をもっていないからです。
そこで効率よく有効成分を抽出したサプリメント(栄養補助食品)の登場です。サプリメントを飲んでいる人は、血中のプラズマローゲン量が増えたことが実験でも確認されています。物忘れがでてきた、軽度の認知障害のひとは最低でも一年続けて飲めば、よい結果がでると思います。
>>サプリメントはいつ飲むのがいいか
なおサプリメントをいつ飲むのがいいか。サプリメントは薬ではなく、あくまでも食品なのでいつ飲んでもかまいません。一番いけないのは継続しないこと。結果を求めるのであれば、飲み忘れのないようにしたいものです。
2014年から認知症になっている人たちを対象に藤野武彦教授らが行った大規模臨床試験によれば、プラズマローゲンを摂取することで赤血球と血清のプラズマローゲンを増やせば、認知症、うつ、心臓病、パーキンソン病、メタボ、クローン病の改善になることが、明らかになってきました。
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